【京都ライブハウス界隈】今、気になる!注目のニューカマー5選
ライター・乾の先月(2024年4月)
「何もかも 投げ出した 雲間からひとえに 錆びついたグライダーで」
京都、立命館大学オリジナル軽音サークルRock Communeで活動中のサブマリンの‟まぼろし”で印象的なこのフレーズが、3度もこのステージで流れるとは。3月19日に行われた〈京都GROWLY〉の『サブマリン1st EP 『潜水艇』Release Party』にて、その日共演していたあの街の水色とサリバーンの2組がいずれもこの曲を自分たちのステージでも演奏し、サブマリンのリリースを祝うという瞬間を目の当たりにすることができた。これまで、幾度かの共演がありこの日を迎えたからこそ生まれたこの流れ、トリで本家のサブマリンが‟まぼろし”を歌っているときにフロアでも、演奏を終えたバンドも含め皆が顔をほころばせながら、この歌をくちずさんでいたことが心に残っている。こんな素敵な夜に出会えるのもライブハウスが、そしてそこに集う人たちがいるから。
さて、前置きが長くなってしまったが、複数ブッキングが多い京都のライブハウスでは、日々このようなつながりが生まれているのではないだろうか。そんな京都のライブハウス界隈で胎動しはじめた新しい音楽に出会うべく、〈磔磔〉、〈CLUB METRO〉、〈livehouse nano〉、〈UrBANGUILD〉、〈木屋町DEWEY〉、〈GROWLY〉、〈LIVE HOUSE GATTACA〉と7つのライブハウスをベースに初出演アーティストを毎月、定点観測。1月から3月にかけて出会った、気になるオススメのニューカマーアーティストを皆さんにご紹介したいと思う。
👉逆男天使くんちゃんず
もし食べ物に例えるなら、あんバターサンド。癖ツヨ、と思うかも知れないがサイケなテクノサウンドに混じり合うポップさが絶妙で中毒性を誘う。2024年4月にANNTENAの記事でも〈livehouse nano〉の店長・土龍さんが大阪のスゴイバンドと取り上げていたサスライナンバープレート難波の新プロジェクトが逆男天使くんちゃんず。作戦53のさえらとの難波による2人組テクノポップユニットだ。男女ツインボーカルというのも中毒性に拍車をかけていると思う。2024年1月に〈木屋町DEWEY〉に出演してから、他のライブハウスへ登場する機会も増加中。近々では、4月30日(木)〈livehouse nano〉に出演予定。気になる方はぜひ、ライブで目撃してほしい。
👉音楽かいと
音楽表現を歌だけに留まらず映像という領域にまでひろげて活動しているという音楽かいと。Music Videoを見てみるとよくわかるが、視覚的にも歌詞と音が気持ちよくリンクし、音楽の世界にさらに没入できるという仕掛け。現役大学生でありながら卓越した音楽クオリティに驚いていたら、なんと高校時代にビクター傘下のレーベル《CONNECTUNE》からアルバム『僕は音楽に照らされて』(2020)、EP『君は音楽で泣いた』(2021)をリリースしているという。彼の楽曲がライブではどのようにアウトプットされるのか、私はまだ体感していないからこそ気になる存在である。
👉不眠旅行
不眠旅行と書いて‟ねむらずとりっぷ”と読む。台湾のバンド落日飛車が‟Sunset roller coaster”と名乗っているような感覚なのかも。滋賀出身、高校の時にバンドを組み、今も音を鳴らし続けている5人組バンド。ボーカル、モエカのメロウな歌声にぐっと引き込まれるが、彼らのライブは圧巻。ベースやキーボード、ギター、それぞれがメインで歌うように演奏するシーンもあり、音源とは違う楽曲の魅力を存分に見せてくれる。毎夜、見る夢が同じにならないように、いろんな世界に連れていってくれるそんな今イチオシのバンドだ。そんな彼ら、彼女らは4月25日(土)に〈livehouse nano〉に出演予定。行ける人は行ったほうがいい。
👉穴熊
ノスタルジックな空気を纏ったギターサウンドとボーカル秋月の声音に一聴で引き込まれた。個人的には〈拾得〉や〈磔磔〉で聴いてみたいと思うギターロックなのだが、彼らは神戸を拠点に活動している4人組バンド。この3月に〈LIVE HOUSE GATTACA〉に出演。定点観測をしているライブハウスの中でも〈GATTACA〉はブッキングの数が多く、音楽ジャンルは様々に、大阪や神戸など関西のいろいろな地域のアーティストが集う場になっている。ここでの出演を縁に、他のライブハウスへと出演するケースも多いので、穴熊にも期待。近々、京都でのライブはないようだが、5月29日神戸〈チキンジョージ〉の出演を控えている。(※穴熊のバンド映像がまだないため、YouTubeは秋月慎太郎のソロ動画)
👉ベアディーコリー
ちょっとハンブレッダーズを彷彿とさせる心が動くエモさ迸るギターと子犬のように駆け抜けていくドラミングが特徴的。京都発の4人組のギターポップロックバンド、その名はベアディーコリー。2023年11月にバンドがスタートしてから、2024年1月には〈KYOTO MUSE〉で行われた関西最大の十代発掘プロジェクト『十代白書』の予選に出演。ボーカルのかっきーは4月に20歳になったばかりだそう。今後のライブスケジュールは5月27日(月)に〈OSAKA MUSE〉が予定されている。これから、ライブの回数も増えてきそうな伸びしろだらけのバンドなので、ぜひお見知りおきを!
今回紹介した中で、音源を聴いて気になった不眠旅行のライブに足を運んでみた。(読み方がねむらずとりっぷってのも、気になったポイント!)そっと夜の帳を落としていくように柔らかな声音で歌うボーカルのモエカも素晴らしかったが、ライブでは各メンバーのソロパートも多く、ラスト1曲でボーカルが去った後にバンドメンバーが鳴らす音楽でフロアが埋め尽くされていく様には鳥肌が立った。そんな音源では気づかないシーンに出会えるのがライブハウス。せひ、気軽にその扉を開いてみてほしい。私も引き続き、いろんな扉を開いていく予定なので、次回もお楽しみに。



